【徹底解説】硝酸塩の除去方法

硝酸塩アイキャッチ飼育方法

どうも、クマのみん(@Dorasike)です。

淡水水槽の場合、水草が吸収してくれるためあまり問題となりませんが、海水水槽(サンゴ)では、水質の中でも「硝酸塩(NO3)」と「リン酸塩(PO4)」に注意する必要があります。

【徹底解説】リン酸塩、ケイ酸塩の除去方法
アクアリウムブロク「クマのみん」では、海水魚の飼育方法、アクリアリウム用品のレビューを発信しています。コケの発生やサンゴの生育疎外の影響となる「リン酸塩」と「ケイ酸塩」の発生原因、除去方法、オススメ道具について徹底解説します。

「硝酸塩」は「アンモニア」や「亜硝酸塩」に比べ毒性は弱いのですが、生物濾過の最終要素のため対策をしないとどんどん水槽内に蓄積していきます。毒性は弱いもののSPSやLPSなど清浄な水質を求めるサンゴの生育には影響があるため除去するのが望ましいです(全くないのもよくないです・・・)。

この記事では、「硝酸塩」の除去方法を紹介します。

ちなみに硝酸塩の量の目安は↓こんな感じです!

☑ 海水魚⇒80ppm
☑ ソフトコーラル(骨格のないサンゴ)⇒40ppm
☑ LPS(骨格がありポリプが長いサンゴ)⇒20ppm
☑ SPS(骨格がありポリプが短いサンゴ)⇒3ppm

硝酸塩の発生要因

硝酸塩は主に海水魚に与える餌や海水魚の糞が微生物、バクテリアに分解(生物濾過)されることで発生します。そのため、海水魚を飼育している場合、硝酸塩の発生は避けることができません。また、水替えに水道水を使用している場合水道水の中にも多少の硝酸塩が含まれているため、水替えで硝酸塩の総量は減りますが0にはなりません。

水替えについては可能であれば「R/O浄水器」、「イオン交換浄水器」 or 「スーパーや薬局の無料で汲める浄水」を使用してください。スーパーや薬局に汲みに行くのが面倒くさい!家で硝酸塩が含まれていない海水を作りたい!!場合は↓こちらの製品を使用してください。

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硝酸塩のチェック

硝酸塩の除去の前に飼育水槽にどれだけの「硝酸塩」が含まれているのかチェックすることをお勧めします。含まれている量を把握していないのに対策だけしても、有効な対策はできず労力とお金だけかかり意味がありません。

チェック方法はそれほど難しくなく、飼育水をスポイトなどで吸い取り専用の機器に入れるだけでチェックすることができます。

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手軽に試験紙をつけるだけでチェックできる製品もあります。
精度はイマイチですが手軽に測定でき、硝酸塩以外も同時に測定できます。

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硝酸塩の除去方法

ということで・・・水槽内に蓄積している「硝酸塩」の除去方法を紹介します。
除去には「水替え(換水)」「添加剤」「バイオペレットリアクター」「嫌気バクテリア」の4つの方法があります。

① 換水で除去

一番簡単かつ確実でオススメの方法です。水槽内の古い海水と作り立ての海水を交換することで「硝酸塩」を減らすことができます。多くの方は定期的に換水をされていることかと思いますので、そのついでに「硝酸塩」を除去もできています。

尚、換水の際は人工海水ではなく、「アーキア菌」「アナモックス菌」が含まれている天然海水を併用することをオススメします。

 

「アーキア菌」、「アナモックス菌」は脱窒能力(硝酸塩(NO3)→窒素(N2)+亜硝酸(NO2))が非常に高く、硝酸塩を窒素にし水槽外に排出・無毒化します。

これらの菌は水槽内での勢力は弱くやがて死滅してしまうため、天然海水を使用し菌を補給してあげることで、高い脱窒能力を維持することができます。

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    • 脱窒能力の高いアーキア菌、アナモックス菌の補給
    • 天然海水を使用し換水が望ましい(月に1度をオススメ)
    • 硝酸塩以外の元素補給も可能

 

クマのみん
クマのみん

クマのみんの水槽は1週間に1度水量の15%の換水をしているよ。
換水だけでSPS(ミドリイシ含む)の飼育もできてるよ!

 

 

② 添加剤で除去(炭素源の添加)

①の換水が面倒くさい方は、添加剤を定期的に入れるだけでも硝酸塩を除去することができます。
添加剤は基本的に毎日添加する必要があり、若干面倒くさいですが1分程度で終わります。

添加剤による硝酸塩除去の仕組みは、ろ材や底砂、ライブロックに定着しているバクテリアの餌となる添加剤を水槽内に入れることによりバクテリアが活性化し、バクテリアが「リン酸塩」と「硝酸塩」を抱えプロテインスキマーから水槽外に排出されます。

尚、バクテリアの活性化により酸素を多く消費しますので、水槽内の酸欠防止と硝酸塩とリンを抱えたバクテリア除去のためにも、プロテインスキマーは必須です。

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    • 水槽内のバクテリアの餌(炭素源)
    • リン酸塩と硝酸塩の両方を除去
    • 定期的な添加が必要(基本的に毎日)
    • プロテインスキマー必須

本製品の添加の場合、硝酸塩とリン酸塩は同時に落ちます。そのため、どちらか一方の数値が高い場合うまく除去できない場合があります。大抵の環境では「リン酸塩」のほうが多いと思いますので、「リン酸塩」が多すぎる場合、「リン酸塩」のみを吸着剤で減らしてあげてから、本製品を添加することをお勧めします。

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みりん(おススメしません)

スーパなどで手に入る「みりん」でも「硝酸塩」を低下させることは可能です。
下水施設などの水質浄化施設でもバクテリアの餌にアルコール(VODKA METHOD)や糖分が使用しています。

確かに、「みりん」にはアルコールも糖分も含まれており、硝酸塩を下げる働きはあります。ただし、添加したみりんが水槽内にどのような影響を及ぼすかのメーカーデータや長期的データがないためオススメしません。

「みりんで硝酸塩が下がる」というインパクトはありますが、インパクトだけです。
当然メーカーテストはされておらず添加量が不明確であり、また成分が変わらないためバクテリアの編重がおきるなど、リスクが大きいことを認識してください。

メーカーの製品もそれほど高価ではないため、しっかりとメーカーテストされた添加剤を使用してください!水槽内の生体のほうがはるかに高価です!!

③ バイオペレットリアクタで除去(炭素源の添加)

②の添加剤の定期的な添加も面倒くさい方はバイオペレットリアクターの使用をオススメします。
バイオペレットメディア(炭素源の塊みたいな物)をバイオペレットリアクターで回すことにより、バイオペレットが徐々に溶解し水槽内に添加されます。

一度機器をセッティングすれば自動で炭素源が添加され硝酸塩が減少します。

水槽内に設置もできるよ!
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バイオペレットのメディアはこちら
    • 水槽内のバクテリアの餌(炭素源)
    • リン酸塩と硝酸塩の両方を除去
    • 定期的な添加は不要(自動で溶け出す)
    • プロテインスキマー必須
    • 炭素源の量の調整はできない

②の添加剤の定期的な添加を基本的な効能は同じですが、バイオペレットリアクターによる添加の場合、添加量のコントロールはできません。
日々の作業が不要で楽に硝酸塩を除去できますが、炭素源の添加は水質に悪影響を及ぼす(悪いバクテリアが増える)場合もあるため、観察だけは怠らないようにしてください。

④ 嫌気バクテリアで除去(脱窒)

上級者向けの方法ですが、あえて底砂を深く(4cm以上)敷くことにより嫌気性バクテリアの力を借り、脱窒する方法もあります。ただし、底砂を深く敷いた場合水が腐敗しやすく硫化水素発生のリスクもありますのでオススメはできません。

上級者の方で自分でコントロール出来る方のみ本手法を採用してください。

まとめ

サンゴの成長がイマイチの場合は、「硝酸塩」がどの程度飼育水に含まれているかチェックし、多い場合は除去するようにしてください。
硝酸塩除去にみりんを使う民間療法はありますが、リスクがよくわからないものを使用するのはオススメできません。かわいいかわいい生体のためにも、メーカー製品を使用するようにしましょう。

つまるところ、水替え最強!と思いつつ参考になれば幸いです。

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