どうもクマのみんです。
本ページではろ過の基本的なことを記載し、以下の方にオススメします。
・水づくりが何かわからない方
・水槽の立ち上げ方がわからない方
水槽に水を入れた直後の水には水をきれいにする(濾過)バクテリアが定着しておらず、生体を飼育することができません。バクテリアを定着させ、生体を飼育できる水を作ることを”水づくり”といい、通常、2週間~1か月程度かかります。また、海水魚に限らず水生生物はトイレの躾ができないため、フンは水中にします。残り餌、ゴミ、老廃物など、閉鎖環境の水槽では汚れがどんどん蓄積していきます。蓄積した汚れは、細菌の力により腐敗分解されアンモニアが生成されます。このアンモニアは毒性が非常に高く、生体を死に至らしめます。そのため、ろ過装置を使用し汚れ(アンモニア)を取り除き水をきれいにする必要があります。
物理濾過とは何か
残り餌、ゴミなどの物理的な汚れが分解されると除去しにくい水溶性の汚れとなり水質を悪化させます。物理濾過の目的は物理的な汚れが生物濾過される前に水槽外に取り出すことです。
物理濾過は一般的にウールマット(淡水・海水)、プロテインスキマー(海水)、テデトール(人力)の3種類があります。
①ウールマット(淡水・海水)
・ウールマットとは淡水・海水で使用できる主に物理濾過に使用するろ材です。名前の通り羊毛!でできていると思いきや、アクリル繊維などの化学物質でできています(そもそも羊毛でできていたら分解されます・・・)
・ウールマットは、使用しているうちに目詰まりをおこし物理濾過として機能しなくなりますので、目詰まりがおきていたら新しいものと交換してください。
・マット状のものと綿状の物がありますが、丈夫なマット状の物をオススメします。
・目の細かい物はゴミ除去能力(物理濾過能力)は高いですが目詰まりしやすく頻繁なメンテナンスが必要となりますため、ある程度目の粗い物をオススメします。
目詰まりしても流水でもみ洗いすれば目詰まりが解消し、ある程度再利用できるよ。
②プロテインスキマー(海水)
・プロテインスキマー(Protein(タンパク質) Skimmer(すくい取る))とは、海水専用の物理濾過装置です。
・モーターの力でインペラを回し大量の細かい泡を生成し、泡の力で小さな汚れを水から取り出すろ過装置です(料理のアク(汚れ)をとるとき、オタマでアクをすくうかと思いますが、ぶっちゃけ同じ原理です)。
・汚れの除去能力は高く、中には生物濾過(後述)を設けず、本装置により限りなく水質を綺麗にする方法もあります。
・プロテインスキマーには、エアリフト式とベンチュリー式のものと綿状の物がありますが、ベンチュリー式をオススメします。
本装置のおかげで淡水より海水のほうが水質が安定しやすいよ。
テデトール(人力)
テデトールとは、小さい容器を使い人力で汚れを取り除くことです。以上!
化学濾過とは何か
科学濾過の目的は物理濾過でとることができない水溶性の汚れを吸着し水槽外に取り出すことです。
吸着材には吸着できる量が限られており、約1-2か月で効果がなくなりますので、その都度交換する必要があります。
③吸着材
・水溶性の汚れ(リン酸、ケイ素、黄ばみ(フミン酸))を吸着し、定期的に交換することにより水槽外に取り出すことができます。
・交換しやすい、オーバーフロー水槽(サンプの中)、外掛けフィルタの中、水槽内などに設置
・外部フィルタ内への設置はメンテナンスしにくいためオススメできません。
水槽の黄ばみに悩んでいる場合は活性炭を入れるといいよ。
④リフジウムとは何か
・通常の濾過では排出できない有機物(リン酸)を海藻に吸収させ水槽外に取り出す。
・海藻はリンなどの有機物を使用し成長しますが、体内に寿命スイッチ(テロメアみたいなもの)を持っており、照明ON/OFFにてスイッチの回数が減ります。回数が0になると寿命を迎え溶け出し蓄えたリンを放出します。
・寿命を迎える寿命を迎える前に物理的に水槽外に取り出す必要があります(海ぶどうの場合は人間が食べることもできますが、食べたくないですよね・・・)。
・リンを蓄えた海藻を海水魚に食べさせるのは水槽内で循環させるだけなので意味がない。
・常時照明をつけることにより、寿命スイッチの回数が減らない(寿命が来ない)。
常時照明ONは魚に取ってストレスとなるため、別水槽(サンプ、サテライト)で海藻を育てるのがオススメ。
生物濾過とは何か
⇒すでにバクテリアの定着が終わっているため、水づくりは不要です。
☑市販のバクテリア材を入手する。
有用な好気性バクテリア、嫌気性バクテリアが濃縮されたバクテリア材を
水槽に投入することにより、バクテリアがろ材に定着しやすく、
水づくりの時間が短縮できます。
強力なプロテインスキマーを使わない場合は必ず濾過装置が必要となるよ。
⑤好気バクテリア
・毒性の高いアンモニアをより毒性の低い硝酸にする(硝化)。
・酸素を好むため、底砂やライブロックの表面などの通水性が良い場所で働く。
・硝酸は変化させることができない。
・酸素を消費し水素が増えるためPHは酸性に傾く。
・炭素源を投入した場合、好気バクテリアが活性化し酸素消費量が増えるため、
エアレーションが必要(バクテリアの死骸回収のため、プロテインスキマーが望ましい)
NH3(アンモニア)+O2(酸素)→NO2–(亜硝酸)+H2O(水)+H+(水素)
・亜硝酸→硝酸
NO2–+O2→NO3–(硝酸)+H2O(水)+H+(水素)
毒性が低いとはいえ硝酸も蓄積するとよくないため、換水により水槽外から取り出す必要があるよ。
⑥嫌気性バクテリア
・硝酸を亜硝酸と窒素にする(脱窒)。
・酸素は好まないため、底砂やライブロックの奥などの通水性が悪い場所で働く。
・PHはアルカリに傾く。
2NO3–(硝酸)+2H2(酸素)→2NO2–(亜硝酸)+2H2O(水)
・亜硝酸→窒素
2NO2–+3H2→N2(窒素)+2H2O(水)+2OH–()
嫌気バクテリアがうまく機能すれば、アルカリ性に傾き硝酸も減るため換水不要になるよ(バランスとるの難しいけど・・・)
まとめ
魚を飼育するには基本的にアンモニアを無害化するろ過装置がなります。通常の濾過装置では蓄積する硝酸は換水により水槽外に排出してください。バクテリアの定着するろ材は多ければ多いほど硝化機能は高まりますが、酸素を消費するため酸欠には注意してください。
サンゴをメインに飼育する人向けに、生物濾過を置かないシステム(ベルリン)もありますが、あまり多くの魚は飼育できないよ。
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